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マイエンフェルト旅行記【2016年 9/12】|ハイジの世界に入り込んだ日

マイエンフェルト旅行記【2016年 9/12】|ハイジの世界に入り込んだ日 旅行記【2016年】
この記事は約11分で読めます。

3度目のヨーロッパ、2度目の独り旅(2016年)の思い出を振り返る。

今回はスイスのマイエンフェルトでの滞在をサクッと要約し、印象的な出来事をシェアしようと思う。

筆者が初めてヨーロッパを独りで旅したのは2014年の初旬。あの時の驚きや発見は今でも鮮明に覚えている。

今回の旅では、ヨーロッパの面白さや基礎知識に絞ってお届けする。無駄な話は極力省いて、ガイドブックには載っていないこと、実際に見たものや感じたことに焦点を当てる。

前回の記事はこちら。

ザルツブルク旅行記【2016年 8/12】|モーツァルトが生まれた音楽の街
3度目のヨーロッパ、2度目の独り旅(2016年)の思い出を振り返る。今回はオーストリアのザルツブルクでの滞在をサクッと要約し、印象的な出来事をシェアしようと思う。筆者が初めてヨーロッパを独りで旅したのは2014年の初旬。あの時の驚きや発見は...

マイエンフェルト滞在記

ザルツブルクを後にし、ついに念願の地──ハイジの町、マイエンフェルトへとやってきた。

まさか本当にスイスに「マイエンフェルト」なる地名が存在するとは、正直思っていなかった。

現地に降り立った瞬間、「あ、ここ好きだわ」と思わせる空気感がある。

ちなみに、「アルプスの少女ハイジ」は宮崎駿の原作と思っている人も多いが、正しくはスイス人作家ヨハンナ・シュピリによる児童文学である。

アニメ制作にあたっては、当時の宮崎駿と高畑勲が実際にこのスイス・アルプスを訪れ、徹底的な取材を行ったという。

その熱意が、あの名作に命を吹き込んだのだ。

マイエンフェルト駅、到着である。

え、この子がハイジ?

しかし、ここでひとつ衝撃の事実がある。

原作に登場する“ハイジ”は、我々の知っているアニメ版ハイジとはかなり様子が違うのだ。

服装も違えば、顔つきもだいぶ落ち着いている。

あの朗らかで元気いっぱいのイメージが脳にこびりついている人にとって、原作版のビジュアルはある意味“別人”レベルである。

──え、だれ?(笑)

こちらが原作版ハイジちゃんである。

「口笛はなぜ~遠くまで聞こえるの~♬」

が、これが本家である。

黙って受け入れよう。

さすがハイジの町。

駅を出るとすぐに「ハイジの家→」という看板が現れる。

目的地まで徒歩40分。

近い!

しかも、道中も自然が美しく、町を歩くだけでも目に入る山々の景色に胸が高鳴る。

マイエンフェルトという町は、まさに「アルプスの中のアルプス」と呼びたくなるような、牧歌的で清々しい空気に包まれている。

──ああ、これだ。これがスイスだ。

都市の喧騒とはまるで無縁の、穏やかで素朴な風景。

人の姿よりも牛の方が多いのでは?と錯覚するほどのどかな土地。

この空気感こそ、スイスの旅がやめられない理由である。

マイエンフェルトの町並み

とは言え、今からハイジの家まで行くには少々時間が遅すぎる。

そこで、とりあえずホステルにチェックインして、町を軽く散歩することにした。

※筆者はいつものクセで「ホステル」と書いていたが、よく見ると今回の宿は「ホテル」であった(笑)

何かと質素な旅をしていると、つい「ホステル」ばかりに慣れてしまうものだ。

ちょっと贅沢した気分である。

Hotel Hirschen
In der wunderschönen Bündner Herrschaft, mitten in „Heidis“ Dörfchen befindet sich das zentral gelegene Hotel Hirschen.


筆者の部屋(屋根裏部屋かな?)

部屋は狭いながらも清潔感があり、ベッドのシーツもきちんと整えられていた。

シャワー室も、まあまあ清潔。

合格点である。

荷物を部屋に置いて外に出ると、ちょうど日が傾き始めていた。

空はオレンジ色に染まり、町全体がふんわりとした夕暮れのフィルターに包まれていく。

と、そんな時である。

ある民家の窓に、なにやら見覚えのあるキャラクターが描かれているのを発見。

──そう、我らが「アニメ版ハイジ」である。

窓一面に描かれたその姿は、まさに我々日本人の心に住まうあのハイジそのものだった。

この家の持ち主が、熱心なアニメ版ファンなのか、それとも日本人なのか──それは定かではないが、いずれにしても親しみを感じずにはいられない瞬間であった。

さらに散歩を続けると、今度は道端にヤギや羊たちの姿が。

柵の中で草を食み、のんびりとした時間を過ごしている。

観光客のために“演出”として用意されたのでは?と疑いたくなるほど、そこかしこに動物がいる。

だが、それがまたこの町の自然さ、牧歌的な魅力をより一層引き立てていた。

マイエンフェルトの夕暮れは、どこかノスタルジックで、ゆっくりと心に染み込んでくる時間であった。

「おじいさん、山が、山が燃えているわ」

マイエンフェルトに着いた頃には、空がいい感じに夕焼けモードへ突入。

筆者は若干テンションが上がりつつ、「今日も旅人やってるな~」などと悦に浸っていた。

さて、皆さまにお知らせしておきたい。

このブログ、いつもは冗談・妬み・誇張・虚勢・ついでにちょっとの脚色で構成されているが──今回に限っては100%ガチである。

突然、目の前の山が燃え出したのだ。

いや物理的にではなく、視覚的に。

(もし本当に燃えていたら、筆者は真っ先に消防署に通報し、次にインスタにアップするタイプである)

夕焼けが山肌を照らし出した瞬間、赤というより「激辛担々麺レベルの真紅」に染まったのだ。

しかも、雲まで赤く染まりつつ移動するもんだから、空に炎の塊が浮かんでるように見える。

筆者「うおお、山が燃えとるがな……!」

一瞬、思考が停止する。

これはもしや…ハイジの先入観のせいか?と脳内で冷静なツッコミも飛ぶ。

が、結論。

違う。完全に現実がハイジを超えてきた。

この夕焼けにインスパイアされて「ハイジ」生まれたんちゃう?ってレベル。
逆輸入ハイジ、ここに誕生。

筆者、思わず近くの公園で腰を下ろし、20分ほど「夕焼け観察おじさん」に変貌する。

ベンチに座りながら「なぜおれは今、こんな山奥で一人で山を見つめているのか」という深淵な問いが浮かんでは消えた。

過去、マッターホルンの朝焼けを見たこともあるが、あれは「ふふ、優雅だわ」って感じ。

今まで色々な山を見てきたが、この時以上に「燃えている」と思ったことはない。

マッターホルンの朝焼けも真っ赤になるのだが。

スイス、ツェルマット

それは「燃えている」というよりは「赤く輝いている」といった感じである。

だが今回のこれは違う。

これはもう、「ギャー!山が怒ってる!!」レベルの迫力。

山も何かしら言いたいことがあるのだろうが、スイス語わからんから聞こえない。

さらに夜には、満天の星空。

しかも超綺麗。

だが、筆者のカメラ知識は「夜に撮る=ブレる」というレベル。

つまり、星は写っていない。

筆者「星よ…君たちは記憶だけで生きてくれ……」

そんなわけで、マイエンフェルトの一日は、

「山が燃えるわ星が降るわ筆者ひとりで感極まるわ」

で、最初から最後まで見どころたっぷりなのであった。

お金ない人、COOPで集合!!

翌朝、ホステルの受付で「近くにCOOPありますよ」と言われた瞬間、思わず耳を疑った。

近くにCOOP?…なんと甘美な響きか。

旅人にとって、それはオアシスの名に等しい。

筆者はスイス旅の真っ只中。

時間だけは腐るほどある。

金はない。

──つまり、「歩く」という選択肢以外、存在しない。

距離、たったの1.7km。

「余裕っしょ」と思ったそこのあなた。

その感覚、正解である。

なぜなら、ここはハイジの町マイエンフェルト。

景色がえげつないほど美しいのだ。

歩けば歩くほど心が洗われる、歩けば歩くほど写真を撮ってしまう。

Googleマップが30分と示していても、体感は10分。

いや、景色見すぎて40分。

ちなみに、これがもしフランクフルトだったら?

筆者「え?1.7km?うん、トラム一択ですね♡」

絶対に歩かん。むしろバス停探すところから始める。

しかしここはマイエンフェルト。

空気が澄んでいる。

山が綺麗。

ヤギがいる。

歩かない理由が、どこにもない。

そんなこんなでCOOPに到着。

だが、ここで現実が旅人をぶん殴ってくる。

「スイス物価、地味に殺しに来てる問題」である。

ちなみに家系ラーメンの「町田商店」がスイス・チューリッヒに出店した際のラーメン一杯はなんと、、、5,000円(27CHF)である。

こちらの記事で紹介されている。

家系ラーメン「町田商店」がスイスに出店 1杯5000円 - 日本経済新聞
ギフトホールディングス(HD)は4日、運営する横浜家系ラーメン「町田商店」をスイス・チューリヒに出店したと発表した。欧州における出店は初めて。主力の「横浜家系ラーメン」の価格は一杯27スイスフラン(約4900円)と日本の5倍程度。ラーメンの...

確かにCOOPはスイスでは安い方に分類される。

が、他国のスーパーと比べれば全然高い。

水・パン・チーズ・ヨーグルトを買っただけで、心がひとつ老けた気がした。

筆者「くっそー、金さえあればチョコも買ってたのに…!」

それでも最低限、ハイジの家でハイジっぽい朝ごはんを楽しむための食材は確保できた。

これはもはや勝利である。

そして帰り道。

来た道を戻るだけ、のはずなのに、なぜかまた感動してしまう。

空は高く、山は遠く、緑は広がり、ヤギは自由。

筆者「スイス、好きすぎるやろ…♡」

結局この日、筆者はCOOPのレシートと共に「人生の尊さ」を手に入れたのであった。

ハイジの家へ

町に戻り、ついに「ハイジの家」へ向かう時が来た。

歩いて40分?

余裕である。

さっきも余裕で1.7km歩いたし、もう完全にマイエンフェルトウォーカーと化している筆者。

町には「Heididorf(ハイジ村)」と書かれた看板があちらこちらに設置されている。

方向音痴な筆者ですら「これは絶対に迷わない」と確信できるレベルの親切さだ。

「うんうん、ええ町やで、こういう配慮が旅人を救うんや…」

──だが、筆者は知らなかった。

このハイジ村(Heididorf)が、自分の想像していたハイジの家とは少しズレていたという事実を…。

道中の風景は文句のつけようがない。

かんとりーろーど ていくみほーむ とぅーざぷれーす あいびろーーーーんぐ♬♬

勝手に脳内BGMが再生されるレベルである。

青空と雪山と草原。

これがスイスである。

これが本気のスイスの力である。

歩けば歩くほどテンションが上がる。

草原の中には、なぜかめちゃくちゃリラックスしている野生動物たちが。

「え、ええん?こんなに堂々と寝転んでて」

その中でも特に驚いたのが、草原の真ん中に悠然と構える巨大な牛。

これがもう、想像の3倍デカい、マジで!!!

「どなどなどーなーどーなー♪ とか言ってる場合じゃないぞ…」

「このサイズの牛に突進されたら骨折では済まん、マジで」

念のため、「いつでも前転して回避できるように」膝を軽く曲げて歩く筆者。
(↑誰にも伝わらない謎の用心深さ)

こうして筆者は、アルプスの大自然と謎の動物警戒モードに包まれながら、徐々にハイジの家へと近づいていくのであった──!

つづく。

"Heididorf"ではなく"Heidihutte"に向かうべし

すみません──!!
ここで皆さんに謝らなければならない。

「ハイジの家」が、思いのほかショボすぎて、写真すら撮るのを忘れてしまったのだ。

いや、言い訳させてほしい。

想像の10分の1ぐらいのクオリティだったのである。

そこで急遽現地調査をしたところ、驚きの事実が判明した。

ハイジには家が2つあるらしい。

  1. Heididorf(ハイジドルフ):冬の家
  2. Heidihütte(ハイジヒュッテ):夏の家

(※おれ調べ、ただし精度は高め)

ハイジ詳しい人なら知っていると思うが、ハイジとおんじは冬の間は山の上は雪が多すぎるので町に降りて暮らすのである

そこを「冬の家」と呼んでいる。

逆に夏の間は山の上の小屋に住んでおり、そこを「夏の家」と呼んでいる。

そう、筆者が見て「おい、学園祭の段ボール展示か?」とツッコんだあの建物は──

冬の家だったのである。

…いや、冬の家にしても、あれはちょっと許されんやろ。

というわけで気を取り直し、今度は「夏の家」を目指すことにした。

こちら、完全に林道を抜けて山を登らないと辿り着けない。

ガチハイキング仕様である。

ハアハア(*´Д`)

「ふふっ、やってやろうじゃないか─。本気のハイジに会いに行くぞ」

案内板のそばにはハイジとおんじとペーターの木像が。

なのだが…


左からおんじ、ハイジ、ペーター

「ん?このハイジ、なんか老けてない?」

「え、もしかしてペーターのおばあちゃん?いや、まさかのハイジの未来?」

謎は深まるが、とにかく登る。

勾配はなかなかで、息は上がる。

ハアハア(*´Д`)

山の空気がうまい。

しかし足がつらい。

そんな時こそ──COOPで買ったリンゴの出番である!

「いま、わたし、物語の中にいる…っ!!」

「ここでリンゴかじらんやつは非国民や!!(どこの?)」

リンゴを一口かじるたびに、ハイジの主題歌が脳内で再生される。

「口笛はなぜ〜〜遠くまで聞こえるの〜〜♬」

筆者「…いや、ハアハアで口笛吹けへんわ」

そんなわけで、ついに本物(?)のハイジの夏の家に近づいていくのであった。

ハイジの夏の家「ハイジヒュッテ」

標高1111m──ついに到着!

ハイジヒュッテ(夏の家)

マイエンフェルトの町の標高が約635mらしいので……
ざっくり500mの登山成功ということになります。

自分に拍手!

筆者「ゼーハーゼーハー……山ナメてた……でも気分は完全にハイジ…ハアハア」

で、こちらが本命「ハイジの夏の家=ハイジヒュッテ」

このハイジヒュッテで一人の日本人のおじいさんに出会ったのである。

見た目は完全に「山好きのベテランおじさん」なのに、話を聞くと中身がとんでもなかった。

・映像系の会社でバリバリ働いてた
・東京でホテルを8軒経営中
・最近は結婚式場のプロデュースにも手を出し始めた
・しかもその式場で「ハイジヒュッテからの絶景を映像投影して疑似スイス体験」を演出するらしい

筆者「このジジイ……やるな。」

いや、詐欺かと思うレベルの話だが、ほんとに朝5時から登って360°カメラで撮影していたようである。

しかも名刺までくれたし、「結婚する時は連絡しなさい。安くしとくから!」と笑顔で言ってくれた。

筆者「……うん、じゃあ誰か、ぼくと結婚してください(切実)」

……ただ、帰国後のバタバタで名刺も写真も見事に紛失!!

このデータ時代に、データを失うという逆にレアな展開。

でも、一度だけメール送ってた気がするから、探せばきっと出てくる……はず。

 

そこからさらに登った先で、ついにお昼ご飯。

COOPで買ったパンとチーズとヨーグルトを食べながら、山々を眺める。

「ここがぼくのアナザースカイ……」

いや〜、山はやっぱり最高です。

静かで、美しくて、風も気持ちいいし……

このまま永住したくなります。

ここからマイエンフェルト版の写真が紛失したので、後は翌日の出発時にタイムリープさせて頂きます。

追記

この翌年にもこの場所を訪れてテント泊をしたのですが、やはり山は最高ですね。

本当に落ち着きます。

マイエンフェルト ハイジの町

マッターホルンの麓の町、ツェルマットへ

マッターホルン ツェルマット

さて。

なぜかこのハイジヒュッテ以降のデータがまるっと紛失しており、泣く泣くここでマイエンフェルト編・完!

筆者「いま良いとこだったのに(泣)旅ブログってたまにこういうとこあるよね~」

でもまあ、いい思い出は脳内HDDに保存されてるからOKということにしておきましょう。

翌朝。

荷物を背負い、感傷にひたりながら町を出発。

まずはマイエンフェルト(Maienfeld)からクール(Chur)へ電車で向かう。

そして、クールでお待ちかねの──

\世界一遅い特急/

マッターホルン ツェルマット

氷河特急(Glacier Express)

に乗車!!

目指すはスイスアルプスの名峰・ツェルマット(Zermatt)!!

「テンション爆上がり〜〜!!特急って言ってるのにめちゃ遅いの、なんかかわいい~」

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