「~ソン」は「~の息子」、「~ドッティル」は「~の娘」
漫画『ゴルゴ13』の「軍隊を持たない国」を読んでいると、アイスランドに関する面白い雑学が載っていた。
それが、
アイスランド人の名前は実はめちゃくちゃ分かりやすい
という話である。
例えば、
男子サッカー選手のスティンソール・ソルステインソン
女性歌手のビョーク・グズムンズドッティル
など。
・・・
いや、どこが分かりやすいんだ。
暗号にしか見えない。
そう思った方も多いだろう。
しかし仕組みを知ると意外なほど単純なのである。
実はアイスランドには伝統的な意味での「苗字」が存在しない。
人名は基本的に自分の名前+父親の名前で構成される。
そして、
~ソン(son)=息子
~ドッティル(dóttir)=娘
を意味するのである。
つまり、スティンソール・ソルステインソンなら「ソルステインの息子であるスティンソール」という意味。
一方、ビョーク・グズムンズドッティルなら「グズムンズの娘であるビョーク」という意味になる。
急に簡単になった。
さっきまで呪文だった名前が急に自己紹介に見えてくる。
では練習問題である。
1980年に世界で初めて直接選挙によって選ばれた女性大統領として有名な、ヴィグディス・フィンボガドッティルという人物がいる。
さて、この名前の意味は何だろうか。
・・・
正解は、
「フィンボガの娘であるヴィグディス」
である。
簡単だ。
もうあなたは立派なアイスランド人名初級者である。
ちなみにドッティル(dóttir)は英語のdaughter(娘)と非常によく似ている。
またソン(son)はそのまま英語のson(息子)である。
もっとも、これはアイスランド語が英語から借りたという意味ではない。
むしろアイスランド語の方がはるかに古い言語であり、両者は共通の祖先を持つ親戚のような関係なのである。
つまりアイスランド人の名前を見て
「○○ソン」
「○○ドッティル」
が出てきたら、
「ああ、この人は○○さんの息子(娘)なんだな」
と考えれば大体合っている。
これであなたもアイスランド人の名前を見て困ることはないだろう。
たぶん。


