
ヨーロッパを旅する前に知っておくべき西洋建築の知識として、今回はギリシャ建築について説明します。
筆者もギリシャ建築の見学に、ギリシャの首都アテネにあるパルテノン神殿を見に行きましたが、それはそれはスゴかったです( ˘ω˘ )

また行きたいです…。
恒例の挨拶(クリックで開きます)
※明言しますが、西洋建築の勉強をしてからヨーロッパに行けば無学で行くより100倍楽しめます。
5回にわたってヨーロッパ30ヵ国以上を完全無学で周ってきた僕が言うので間違いありません(笑)
※「この部分がわかりにくいです」とか「これはどうなんですか?」などの質問やコメント等ありましたら遠慮なく下部のコメント欄からお問い合わせください!
前回の記事はこちら↓

本記事は「ギリシャ建築の3つのオーダー」を解説しています。
ギリシャ建築の3つのオーダー
この章の特に重要な点を挙げると以下の3点になります↓
➀オーダーとは
②ギリシャ建築の3つのオーダー
③【補足】エンタブラチュアとペディメント
それぞれ解説します。
➀オーダーとは
まずは超重要ワードである「オーダー」の説明をします。

ギリシア建築、ローマ建築、ルネサンス建築などの古典系建築にはある共通の構造があります。
それがオーダーと呼ばれる、(床から屋根までの)柱と梁を中心とした秩序ある一連のセットです↓

要するに柱があってその上に載っている棒(梁=はり)を合わせて「オーダー」と呼びます。
たとえこの記事を途中で離脱しても、「オーダー」という言葉だけは忘れないでください(ノД`)・゜・。
この「オーダー」が超重要なのです、今後ルネサンス建築やバロック建築などの古典系建築を理解するにあたって絶対に知っておくべきワードです(о´∀`о)
「古典系建築」と「中世系建築」については前回の記事でも紹介しましたので、詳しくはそちらで↓

②ギリシャ建築の3つのオーダー

パルテノン神殿(筆者撮影)
西洋建築のオーダーには、基本となる5つの種類があり、
ギリシャ建築が生み出した3つ
ローマ建築が生み出した2つ
となっています。
ほら、全然違うからすぐに見分けられるでしょ?(笑)
元祖ドリス式から半世紀遅れただけあって趣向が凝らされています。
ドリス式と違い、エキノスもアバクスも左右の渦巻き(ヴォリュート)に吸収されほとんど見えません。
渦巻きはイオニア式!
また足元もドリス式とは違い下駄を履いています。
床(スタイロベート)の上に柱礎(ベース)、そして柱(シャフト)です↓

ドリス式にはベースが無かったですよね?
またイオニア式はフルート(溝彫り)が24本あり、溝彫りの間は平縁を残して形成されています。

溝と溝の間、平らな部分が残ってますね。

先ほどのドリス式ではこの平縁が無いので、稜線で繋がっていると書きました。
またイオニア式&コリント式の柱は上に行くにしたがって微妙に細くなっていきますが、ほとんど見た目ではわからないくらいです。
【解説】コリント式オーダー
ギリシャ建築のオーダーの3つ目(最後)です。
コリント式は紀元前430年頃に、柱頭だけを置き換えるかたちでイオニア式から派生しましたが、ギリシアではほとんど受けれ入れられず、ローマ建築で盛んに用いられました↓

コリント式の柱頭は、地中海沿岸地方に自生するアカンサスという多年草の葉をモチーフにした籠形で、イオニア式よりも一層装飾性が強いです。

アカンサス(筆者はギリシャ旅行時にアカンサスを探したが全く見つからなかった…)
イオニア式の渦巻きが縮小し、エキノス(浅い鉢形)の部分がアカンサスに成長した形態とも見ることができます。

足元も溝彫りも柱の太さもイオニア式と同じです。
3つのオーダーのまとめ
ではここで3つのオーダーのまとめを載せておきます↓
| ドリス式 | イオニア式 | コリント式 | |
| 発明された年代 | 紀元前7世紀ごろ | ドリス式から半世紀後 | 紀元前430年 |
| 柱頭の様子 (キャピタル) |
鉢と正方形 (エキノスとアバクス) |
渦巻き (ヴォリュート) |
多年草の葉 (アカンサス) |
| 柱の足元 (ベース) |
柱礎なし | 柱礎あり | 柱礎あり |
| 柱の溝彫り (フルート) |
20本 | 24本 | 24本 |
| 溝彫りの間 | 稜線 | 平縁 | 平縁 |
以上の3つのオーダーを用いて作られたのが、あのコロッセオです↓

コロッセオは古代ローマの円形劇場で、ギリシア建築を模範として造られました。
よく見ると、
一階にドリス式、二階にイオニア式、三階にコリント式
のオーダーが使われています。
コロッセオの詳しいことはローマ建築編で見ていきますが、「今すぐ確認したい!!」という人はこちらを↓

③【補足】エンタブラチュアとペディメント
さて、オーダーの何となくの説明をしたばっかりで申し訳ないのですが、これらの他にも「エンタブラチュア」「ペディメント」なども是非知っておいて欲しいワードです。
エンタブラチュアとは柱頭(キャピタル)の上に載る梁(はり)の部分を指します↓


今のあなたにはエンタブラチュアを支えるエキノスとアバクスも見えますよね?↓↓

もっと詳しく知りたい方は、下の画像を見ながら理解を深めてください↓

※参考書「西洋建築の歴史」P.36より引用
エンタブラチュアはさらに三層に分かれており(ぎゃああぁぁ( ゚Д゚))、柱頭の直ぐ上に載る順から、
➀アーキトレーヴ(E)【梁の役割】
→頑丈で屋根の重さを支える
➁装飾帯のフリーズ(D)【アーキトレーヴの上】
→エンタブラチュアをオシャレに彩る装飾帯
③コーニス(C)【屋根の軒にあたる】
→柱を汚れから守る軒
があります。
(実は筆者もフリーズ、コーニス、アーキトレーヴについては混乱するのであまり覚えていない(;^ω^))

現物で確認するとこうです↓

アバクスの上にアーキトレーヴ、その上にフリーズがきて、さらにその上に水平材コーニスがきます。
屋根はほとんど崩れてしまって確認できませんが、本当はこの上に三角形のペディメントが載ります↓

実は筆者も2021年12月にアテネのパルテノン神殿をこの目で見てきました。

↑筆者の目にはこのように、そこにあるはずのペディメントの姿を思い描いていたのです(笑)
ここまでのキーワードまとめ
では既に出てきた、ギリシア建築編で特に覚えて頂きたいキーワードをおさらいしますのでもう一度ご確認ください!
- オーダー(柱と梁の一連のセット)
- ドリス式(キャピタルはエキノス(浅い鉢)とアバクス(正方形)で構成されている)
- イオニア式(キャピタルは渦巻き形のヴォリュート、足元にはベースがある)
- コリント式(イオニア式とほぼ一緒、キャピタルはアカンサスの葉を模してある)
- エンタブラチュア(柱の上に水平に載る石材)
- ペディメント(神殿の上によくある三角形)
さて、難しいお話が続きましたね。
ここからは、ギリシャ人がいかに比例を建築様式に応用させたかをみていきます。

ギリシャ建築がどれだけスゴイのかについてお話したいと思います↓

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