実は筆者は、過去にヨーロッパ各国をレンタカーで走り、総走行距離6,500kmあまりを周遊した経験がある。
本記事では、その実体験をもとに、ヨーロッパを運転していて特に印象に残ったことを12個紹介する。
これからレンタカーでヨーロッパ、あるいは海外を運転しようと考えている人には、ぜひ参考にしてほしい。
- 完全に左右逆ではない
- 右側通行
- めっちゃ煽られる
- バック駐車ほぼおらん
- え、駐車スペース無視いぃ!?
- 駐車場所がめっちゃ自由
- ラウンドアバウトまじ神
- 追越車線をずっと走る車が皆無
- 法定速度が神
- 高速道路代が安い
- オートマ車がねぇ
- 縦列駐車が多い

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完全に左右逆ではない
ヨーロッパで運転
そう聞いた瞬間、無意識に「それは無理だ」と身構えてしまう人は多いのではないだろうか。
左ハンドル、右側通行。
日本とはすべてが真逆で、ハンドルを握った瞬間にパニックになる――そんなイメージを持つのも無理はない。
実際、筆者も初めてヨーロッパで運転しようと思ったときは、同じように身構えた。
しかし結論から言えば、運転操作がすべて日本と真逆というわけではない。
この点を知らずにいると、特にMT車では余計に混乱することになる。
まずは以下の5項目を見てほしい。
- 左ハンドル(日本の逆)
- 右手シフトレバー(日本の逆)
- 左足クラッチ右足ブレーキ&アクセル(日本と同じ)
- 右手ワイパー左手ウインカー(日本の逆)
- 右側通行(日本の逆)
この事実を知っているかどうかで、心理的ハードルはかなり変わる。
もちろん、運転し始めは多少の混乱がある。
ウインカーを出そうとしてワイパーを動かすのは、もはや様式美である。
とはいえ、慣れてしまえば拍子抜けするほど普通に運転できるようになる。
「全部逆だから無理」という思い込みこそが、最大の敵なのかもしれない。
右側通行
これは筆者自身、何度も間違えてヒヤッとした――というより、正直ゾッとした経験がある。
日本での運転距離が25万kmを超えていたこともあり、体の芯まで左側通行が染みついてしまっていた。
もはや習慣というより反射である。
では、右側通行のヨーロッパで誤って左側車線を走るとどうなるのか。
言うまでもないが、目の前から猛スピードの車が突っ込んでくる。
後述するが、ヨーロッパでは下道でも法定速度が時速90kmというケースが珍しくない。
その速度で正面衝突コースに入るのだから、恐怖の質が違う。
前方に先行車がいる場合は、右折でも左折でも車線を間違えることはほとんどない。
問題は、自分の前に車が一台もいない場面である。
何気なく左折したつもりが、気づけば車道の左側を走っている。
そしてしばらく走ってから、違和感の正体に気づく。
これは気を抜いていると本当に起こる。
「分かっているつもり」が一番危ない典型例である。
ヨーロッパ運転で最初に、そして最後まで注意すべきポイントは、間違いなくこの右側通行だ。
めっちゃ煽られる
近年、日本では「あおり運転の厳罰化」がようやく進んできた。
※あおりまくった挙句、高速道路上で車停めさせてエアガン打ちながら威嚇してイチャモン付けるオツムの弱いクズたちを少しでも減らす手段として、あおり運転の超厳罰化には大賛成である。
さて、話をヨーロッパに戻そう。
ヨーロッパの中でも、特にイタリアのあおり運転はなかなかに激しい。
車間距離を限界まで詰め、「どけ」と無言の圧力をかけてくる。
ただし、日本のあおり運転とは決定的に違う点がある。
- 車を左右に振らない
- パッシングをしない
- クラクションを鳴らさない
日本のように感情むき出しで威嚇してくる愉快犯タイプではない。 「早く行きたい」→「前が遅い」→「結果として車間が詰まった」みたいな感じだ。
実際、煽ってくる車の運転手の顔を見ても、「ノロマめ、バカが」といった怒りや敵意はほとんど感じなかった。 悪気がないというのも変な話だが、少なくとも感情的な攻撃ではない。 イタリアのあおり運転は、文化というより交通テンポの違いだと感じた。バック駐車ほぼおらん
日本で「駐車」と言えば、まずバック駐車である。
頭から突っ込む前進駐車をしている車を見ると、「お、珍しいな」と思う人も多いだろう。
ところが欧米では事情がまったく違う。
体感ではあるが、9割以上のドライバーが前進駐車である。
※あくまで筆者の経験則である。
バック駐車をしているのは、キャンピングカーか、ごく一部の一般人だけだ。
正直、かなり少数派である。
こちらを見てほしい。
完全に前進駐車
これは奥様の実家のベランダから見える景色だが、見事なまでに前進駐車である。
ここまで揃うと、もはや様式美である。
たまにバック駐車の車を見かけることもあるが、実はそれも「わざわざバックで入れた」とは限らない。
どういうことかというと、大きな駐車場で前進駐車したまま奥へ進み、出るときもそのまま前進で出られる配置になっているケースがある。
これがまた、よく分からない。
「出るときは頭からのほうが楽」という考えがあるなら、なぜ駐車のときは前進にこだわるのか。
理屈は通っているようで、どこか通っていない。
しかし、そんな前進駐車だらけのヨーロッパにおいて、あえてバック駐車をすることには、実は大きなメリットがある。
結論から言うと、自分の車を一瞬で判別できるからだ。 数日前に借りたレンタカーのナンバープレートなど、正直誰も覚えていない。 しかもヨーロッパのナンバープレートは国ごとに表記が違い、見慣れないと非常に紛らわしい。
そんな中、駐車場を見渡したときに、「一台だけバック駐車している車」があったらどうだろう。
そう、それが自分の車である。
ではここで問題。
筆者が借りたレンタカーはどれだろうか?
正解。
一台だけバック駐車している、その車である。
「キーで開けたときの音やランプで分かるのでは?」と思うかもしれない。
しかし、ヨーロッパで借りる格安レンタカーの中には、
- 解錠音が鳴らない
- ウインカーや表示灯が光らない
え、駐車スペース無視いぃ!?
欧米では、駐車スペースを「目安」程度にしか捉えていないのではないか、と思う場面によく遭遇する。 なんとなくの位置にキキーッと前進駐車し、そのまま何事もなかったかのように降車する人が多いのだ。
その結果、2台分の駐車スペースを堂々と占有している車も珍しくない。
もちろん、「枠の中に停めよう」という意識がまったくないわけではない。ただし、「はみ出したら周囲に迷惑がかかる」という感覚は、日本ほど強くないように感じる。
きっちり駐車したい派の筆者からすると、そうした車を見かけるたびに、心の中で軽くため息が出る。 理屈では文化の違いだと分かっていても、白線を無視した斜め駐車を見ると、どうしてもモヤっとしてしまう。 几帳面な日本人の性が、ここでも顔を出してしまうのである。駐車場所がめっちゃ自由
ヨーロッパでは、駐車の自由度がとにかく高い。有料・無料を問わず、街中には路上駐車スペースがあふれている。
つい先日、イタリアを運転していたときのことだ。助手席に座っていた奥様が、さらっとこう言った。
「日本と違って、イタリアの駐車はめっちゃ自由だよ。しかも白枠の駐車スペースなら、無料で何時間でも停められるよ」
日本ではまず聞かない話である。
※日本ではありえない話ですよね。
実際にヨーロッパを運転すると分かるが、路上駐車の数が桁違いに多い。 たとえば、下の写真の右側に並んでいる車は、すべて無料の路上駐車である。↑マッジョーレ湖という超有名ビーチ横の無料駐車場
日本なら、どんなに地味なビーチでも「普通車1日1,000円」と書かれた青空駐車場が設置されていそうな場所だ。
ただし注意点もある。
オレンジ色や青色で区切られた駐車スペースは有料であることが多い。
うっかり停めると、後で後悔することになる。

見落とすと、知らないうちに違反になっている。
さらに、こんな光景にも出くわした。
イタリア・トリノで撮影した写真だが、なんと車が道路のど真ん中、中央線上に駐車している。
道幅が広い道路ならではの光景だが、さすがに「駐禁を切られるのでは?」と思い、地元の人に聞いてみた。
返ってきた答えはこうだ。
「リスクがゼロかと言われれば、もちろんゼロではない。
でも、特に邪魔でなければ黙認されることが多いかな」
……すごい国である。
実害がなければ黙認、というこの感覚。
日本にも、ほんの少しだけあってもいいのではないかと思ってしまう。
ラウンドアバウトの手前には、
「この先、円形交差点がありますよ」と教えてくれる、ぐるぐるマークの標識が立っている。
その名の通り、真上から見ると完全な円形だ。
ラウンドアバウトの様子はこちら。
写真を見ると、確かに立派な環状交差点である。
正直、存在すら知らなかった。
近くにある人は、ぜひ一度通ってみてほしい。
きっと「なるほど」と思うはずだ。
なお、ラウンドアバウトについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考になる。

日本の現行法では、追い越し車線をずっと走り続けるのは違法である。
追い越し車線の長距離走行は「通行帯違反」として取り締まりの対象になる。
追い越した後も走行車線に戻ることなく追い越し車線を走り続けていると、法定速度であっても「通行帯違反」として警察に摘発されることになる。
一方で、ヨーロッパの道路交通法について細かい知識はないが、少なくとも運転していて感じるのは、追い越したら必ず走行車線に戻るという意識の徹底ぶりだ。
本当に、驚くほどきれいに戻る。
対して日本ではどうかというと、高速道路を利用するたびに、追越車線を「ここ、俺の定位置ですけど?」と言わんばかりに走り続ける車を必ず見かける。
それが時速200km近い爆走車であることもあれば、リミッターの都合でどう頑張っても時速90km程度しか出ない大型トラックであることもある。
種類は違えど、やっていることは同じである。
この光景を見るたびに、筆者は思う。

「アウトバーン」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
アウトバーンとはドイツ語で「高速道路」のことで、その一部区間では速度無制限という、にわかには信じがたい制度が存在する。
これはさすがに有名なので、知っている人も多いだろう。
実際には、このような感じで分かりやすく表示されている。
そして驚くのは、高速道路だけではない。
一般道の制限速度ですら、日本の感覚ではなかなか衝撃的である。
国によって多少の差はあるが、おおよその目安は以下の通りだ。
日本の高速道路料金、高いと思わないだろうか?
少なくとも筆者は、はっきり高いと感じている。
これまでヨーロッパ各国で高速道路を利用してきたが、国によって料金体系は驚くほど違う。
覚えている範囲にはなるが、ざっくり分類すると以下の通りである。
ヨーロッパでレンタカーを借りる場合、基本的に
同じ条件でもATかMTかの違いだけで、約43,800円差が出ることもある。
この数字を見ると、選択肢が事実上一つしかないことが分かる。
そのため、ヨーロッパでレンタカーを利用する場合、ほぼ確実にMT車になると考えておいたほうがいい。
可能であれば、日本にいるうちにギア操作の練習をしておくことを強くおすすめする。
ちなみに、筆者が初めてヨーロッパでレンタカーを借りたときは、見事なまでのエンスト祭りだった。
駐車場から1mmも動けず、最終的にはレンタカー店のスタッフに助手席に乗ってもらいレクチャーを受けた始末である。
そのときの詳しい顛末は、以下の記事で紹介している。
ご参考までに。

